>>262「ツッコミの習慣」は最良の思考トレーニング

他人の決めつけに簡単に納得するのは「思考の老化」である。テレビの解説でも、書籍の内容に対してでもいいのだけれども、「そうだったのか」と簡単に納得するのをやめてみよう。

昔の中高年は、よくテレビに向かってブツブツと文句を言っていた印象がある。私が関西に住んでいたからでもあるのだろうが、大衆食堂などではテレビに向かって「税金上げて暮らしがよくなる? アホなこと言うな」「きれいな服着て、偉そうなことばっかり」などと、ケチをつけているおっちゃんがいた。

「NHKで阪神が負けた言うとるけど、ウソやないか? よそのチャンネルなら勝っとるのと違うか?」という冗談があるけれども、テレビを見ながら文句を言うのは、当たり前の光景だったように記憶している。

理髪店に行けば「○○はこう言っているけれど、オレに言わせりゃ」式の、テレビやラジオの解説に対してひと言あるような中高年は日本中にいたはずだ。

こうしたツッコミの姿勢は、思考習慣として非常に重要だ。コメンテーターなどの歯切れのいい断定に「そうだったのか」と納得してしまうのは思考の老化だから「本当にそうなのか?」と疑って反論することで、ものを考える習慣ができる。
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