塙山キャバレー「その後」の物語…火事で店を失った“のぼるちゃん”がアパートで孤独死…
20年ぶりに娘と再会したママも大切なパートナーを亡くし悲しみの中にいた…
どんな過去を背負っていても、必ず居場所はある…
茨城県日立市。チェーン店が並ぶ国道沿いに、まるで終戦直後にタイムスリップしたような不思議な一角がある。
14軒の小さな飲み屋が並ぶ「塙山キャバレー」。ここで生きるママたちは、人生に疲れた客の心をそっとすくい上げてくれる。
久しぶりに訪れた塙山キャバレーでは、ママたちが相変わらずたくましく生き、コロナ禍も落ち着いて、いつもの活気を取り戻していた。
最年少の30代ママがオープンした店にも、すっかり常連客が定着、他の店も開店前から客が並び、
かつての塙山キャバレーに戻ったように見えた。しかし、この間に2人の大切な人が亡くなったのだという…
この地で火事を起こした元ラーメン店主の“のぼるちゃん”。2022年3月、自宅アパートで一人亡くなっているのを「めぐみ」ママが見つけたという。
生活保護受給者のため、遺体は市が引き取り、その後の行方は分からない。
「せめて葬儀や墓参りでも」と行政に掛け合うのだが…
そしてもう一人は、20年前に3人の子供を捨てて、この場所にたどりついた「ラブ」ママが愛したパートナー。
2022年1月にこの世を去ったという。ママは笑顔で店を続けていたものの「もう辞めたい。
すぐに死んでもいい」と言い出す事態に…「ラブ」ママは塙山キャバレーを離れてしまうのか…
喜びや悲しみを抱えた人々が集う塙山キャバレーのその後を見つめた…
【語り】吉岡里帆