2月11日(土) 04:50〜05:20

1963年、石川県志賀町で当時、中学生だった寺越武志さんが、叔父2人と漁に出たまま行方不明となり、その後、北朝鮮で生きていることが判明した「寺越事件」。
武志さんは拉致を否定し、日本政府も拉致被害者とは認めていない。武志さんの一時帰国が叶ったのは2002年10月。拉致被害者5人の帰国が実現し、日朝関係が大きく動いた年だった。
その後も、母の友枝さんは武志さんに会うため、訪朝を重ね、その数は66回にものぼる。

寺越事件から今年で60年。友枝さんは高齢になり、武志さんに会いにいくことはできなくなった。「月を眺めてお互いのことを考えよう」と、息子と交わした約束だけが、いま母を支えている。
政治に翻弄されながらも、沈黙を貫いてきた母と息子。15年以上にわたり、友枝さんの取材を続けてきた記者が、忘れ去られようとしている「寺越事件」を記録し、伝える。

北陸朝日放送