必殺仕事人~第22話(79年10月12日放送)
「登城する大名駕籠はなぜ走るのか?」
(監督・都築一興 脚本・石川孝人)
大田原和之 - 宮川徹夫 おゆき - 植木絵津子
おみつ - 石川えり子 大田原和清 - 水上保広
伊八 - 長谷川明男

定刻通りに登城する下野大田原藩の駕籠が、刻限よりも早く登城しようとする近江彦根藩の駕籠に行く手を妨害されるという騒ぎが起きる。
小藩ゆえに大田原藩は彦根藩の行列に道を譲らざるをえなかった。
彦根藩一行が通り過ぎた後、大田原藩主大田原和清は、この一部始終を目撃する侍の姿を発見すると慌てて駕籠を出発させる。
その侍の正体は、大田原藩の三男坊大田原和之。冷や飯食いに嫌気がさした和之は、絵草子屋若松屋伊八の元に転がり込んで市井の暮らしに馴染みながら、手許が心もとないと屋敷に戻って家老時枝伝ヱ門から金をせびるという毎日を送っていた。
そんな和之は、若松屋に出入りするおゆきを我がものにするために伊八に書かせた恋文をおゆきに送り続けていたが、いい返事を得ることが出来なかった。
久しぶりに屋敷に出向いた和之は、次男和忠が落馬して死亡したという報せに家臣たちが右往左往するドサクサに紛れ、将軍家より拝領した葵の紋付きの金杯を盗み出す。そしておゆきを自分に振り向かせるため、その金杯をおゆきに贈るのだった。