都心の高層ビル群と寄り添うように、「新宿御苑」はあります。新宿区と渋谷区にまたがる巨大な国民公園で、広さはなんと約18万坪。
整形式庭園、風景式庭園、日本庭園、3つの庭園様式を組み合わせた近代西洋庭園の名作です。“御苑”の名の通り元は皇室庭園であり、水辺に建つ中国風建築・旧御凉亭や、皇族方が休憩所として利用した旧洋館御休所にその時代の面影を見ることができます。
圧倒的なのは、その緑の多様さです。苑内に植えられているのは約250種1万本を越える樹木。大温室には世界中から集められた約2700種の植物が生い茂り、まるで熱帯のジャングルに迷い込んだかのよう。
一体なぜこれほど多くの植物を見ることができるのでしょうか?
実はそこに、新宿御苑が担う重要な役割が関わっているのです。あの“食べる宝石”マスクメロンとも深い繋がりが…さらに、建てられるはずだった「幻の宮殿」とは?緑の楽園の知られざる歴史を紐解きます。

<Art Traveler>シシド・カフカ
<ナレーター>渡辺いっけい