東京の皇居外苑北の丸公園に東京の新たな地上気象観測施設・露場が完成し、 2011年8月1日より試験的な運用が開始された。現露場(大手町1-3-4)における観測 と比較してみると、新露場は森林公園内にあるにもかかわらず現露場に比べて最高気温 は高めに、最低気温は低めに観測されている。これは、現露場に比べて風通しが悪く 日だまり効果によるものと考えられる。 (「K54.日だまり効果と気温:東京新露場」)。

観測所の周辺環境が変化したとき、日だまり効果によって平均気温がいくら上昇する か、観測環境の維持管理上の重要な課題である。

一方、衛星からのリモートセンシングにおいても、日中は地上風速が弱い所の地表面温度 は高温に観測される。地表面温度は、地表面の粗度、植生、アルベド、土壌の湿りなど 様々な要因で決まっており、局所的な日だまり効果による温度上昇のことも理解した上で 資料解析する必要がある。

観測地点の周辺環境は多種多様であるので、各地における日だまり効果に関する 実験・観測の資料を蓄積して、今後の参考にしていかねばならない。