改めて問題の本質を問い直す

『はだしのゲン』は当初は少年誌に連載されていたが、後半は、共産党系の雑誌を経て、日教組の機関誌に連載されている。これに合わせたかのように後半に進むに従って、特定のイデオロギー色が強くなっていく。主人公のゲンや友人は、日教組の代弁者となって、式典の国歌斉唱に反対し、天皇の戦争責任を主張したり、言葉汚く罵ったりする。ところが閲覧制限に反対する論陣を張ったマスコミ各社は、この点についてほとんど触れず、論点を平和教育や子供の知る権利にすり替えている。子供の知る権利を主張する一方で、自分たちの都合の悪いことは曖昧にし、国民に知らせない姿勢は矛盾以外の何ものでもない。作品の後半部分の天皇や君が代に対する侮辱的な記述を学校現場で扱うことを国民の多くは果たして支持するであろうか。

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