ザ・ノンフィクション おくりびとになりたくて ~大切な誰かと別れるとき~
6月23日(日) 14:00~14:55
母の死をきっかけに納棺師を志したシングルマザー…人の死と向き合い、大切に送り出す仕事にやりがいを感じ始めた頃…故郷・北海道の父がこの世を去ろうとしていた…
“おくりびと”と呼ばれる仕事がある。
通夜や葬儀の前に、遺族の目の前で亡き人の状態を整え、棺に納め、お別れの時間を作る納棺師たち。
家族だけで故人への思い出や悲しみを分かち合い、死を悼む時間として…近年、納棺師が執り行う「納棺式」の需要が高まっているという。
そんな“おくりびと”になることを志し、17年勤めた会社を辞めた陽子さん(48)。納棺師を育成する「おくりびとアカデミー」に入学した。遺体を扱う技術や知識、別れに寄り添うための心構えを半年間にわたって学ぶ。
シングルマザーとして2人の娘を育ててきた陽子さん。ずっと娘たちのために働く人生だったが、48歳になり納棺師を目指すようになった。
きっかけは、母の葬式で見た納棺式。生前の母に尽くせなかった後悔や無念を抱いていたが、納棺師がつくる“別れの時間”で心が洗われる思いだったという。その時の体験から「自分も納棺師になりたい」と決断したのだ。
アカデミーを卒業し、納棺師として働き始める陽子さん。来る日も来る日も、人の死に立ち会い、家族の悲しみと愛を感じている中、故郷・北海道の父の病状が思わしくないという知らせを受ける…納棺師になった自分が愛する家族と別れるときに何をするべきか。
“おくりびと”を志した一人の女性の揺れる心を見つめた…
【語り】中村佳穂