暴言を吐こうと、暴れようと、どんな人間でも受け入れる「家」がある…

千葉県にある「いしいさん家」は、認知症や統合失調症などの患者を預かる介護施設。ここには、暴力・暴言といった問題行動を理由に、他の施設から“お断り”された人たちが集まっている。
自宅での介護も難しいため、家族にとっては“駆け込み寺的存在”となっている。

そんな施設には個性的な面々が…認知症の女性(73)の口癖は「バカ野郎」。何が気に入らないのかいつも不機嫌で、スタッフを叩いたり、引っかいたりと問題行動が止まらない。統合失調症の男性(46)は、人に話を聞いてもらえないとストレスを溜めてしまうという特性の持ち主。そのストレスが頂点に達すると、感情を抑えきれず、怒りを爆発させる。そんな“ワケありな人々”に対しても、石井さんとスタッフはユーモアあふれる接し方で介護してきた。

だがある日、ふとしたことがきっかけで、男性が“事件”を起こす。他の人々の問題行動も激しさを増し、スタッフから不満の声が上がり始め、とうとう施設は危機的状況に追い込まれていく……

社会に居場所をなくした人々と、彼らを懸命に支える人々の1年を追った。