コロナの苦境を訴える張り紙がSNSで批判を受けたラーメン店の女性店主…飲食店の現場では一体何が起きているのか…店を立て直そうと奮闘する父娘の闘い…
「もう限界かもしれません」…この一文から始まる張り紙が物議を醸し、話題となった1軒のラーメン店がある。
2021年5月、コロナ禍での度重なる休業要請で、苦境に立つ経営への思いを店先の張り紙で訴えたのは、店主のえつ子さん(35歳)。ずっと水商売の世界で生きてきた彼女が、
心機一転、ラーメンの世界、それも激戦区である東京・荻窪で勝負しようと決めたのは理由がある…
えつ子さんの父・裕也さん(54歳)は、埼玉県を中心に居酒屋やキャバクラを展開する飲食店グループを経営する社長。
順調に売り上げを伸ばし、事業を拡大していたのだが、コロナ禍となり、グループの売り上げは10分の1に。
そこで、えつ子さんは、“夜の街”よりも影響を受けづらいと考えたラーメン店を開店したのだ。
しかし、コロナ禍の現実は厳しく、2020年6月の開店以来、ずっと赤字続き。
無料サービスを充実させても、新作ラーメンを出しても、いっこうに客足は伸びない。父が経営する店も経営難は加速し、キャバクラは休業を強いられていく…
追い詰められていく父と娘は、ついに大きな決断を求められる。
一向に出口の見えないコロナ禍の中で、飲食業界の現場では一体、何が起きているのか…ある父娘の姿を通して、その実態を追った。
【語り】
松本まりか