曽我ひとみさん

こうして今、母の話をしている間にも母との思い出、出来事が頭に浮かんできます。
遠足のとき、奮発していろんなおかずを作ってお弁当を持たせてくれました。
私は今までにない豪勢な弁当にただただ喜ぶだけでした。
だけど、母の弁当のおかずはすごく辛い漬物が少し入っていただけでした。
「どうして母ちゃんは漬物だけなの?」と聞けば、「おかずが辛いとご飯がいっぱい食べられるからだよ」というのです。
母もいろんなおかずが食べたかっただろうに我慢していたんだなと、今なら母の気持ちがよく理解できます。