10月22日(土) 04:50〜05:20

佐々木敦子さん(78)の夫・荘則棟は、卓球の元中国代表選手で、世界卓球選手権を3連覇した“英雄"だ。
荘は東西冷戦下にあった1971年、世界卓球選手権で国どうしが敵対していたアメリカのグレンコーワン選手と握手を交わし、米中が国交を結ぶきっかけを作った。
荘は33歳で中国の国家体育運動委員会主任(スポーツ大臣)に抜擢された。
しかし荘は、毛沢東の死後、文化大革命で権力の側にいた「過ち」を批判され失脚。表舞台から姿を消し、子供たちに卓球を教えるコーチとして生きてきた。
敦子さんは商社の駐在員として働いた北京で、荘との交流が始まり結婚。
穏やかな夫婦生活を送るが、2008年に荘に末期がんが見つかる。2013年2月に73歳で亡くなった。文革時の「過ち」は、荘の死後もついて回った。
当局から荘の葬儀を禁じられ、多くの公人が眠る墓地に墓を作ることも許されなかった。敦子さんは、中国の習近平国家主席あてに手紙を書くことを決意する。

名古屋テレビ放送