エブリンに悲しき過去…
両親はガーナ人。日本代表で活動するため、子どもの頃に家族で日本国籍を取得した。

 エブリンは小学4年の時、地元のミニバスクラブに入るまでは、周りから見た目をからかわれ、ひとりで過ごすことも多かった。

 「日本人らしい体がほしい」。そう思うこともあった。中学1年の時には、コンテストで賞をもらった人権作文にこうつづった。

 「必死になってこみあげてくる怒りをおさえました。そして、新しい技を取得しました。それは、悪口を言われても、認めて、おもしろいことに変えてしまおう、という技です」。

そのころ、自己紹介では「ガーナチョコって覚えてね!」と言っていた。心の傷を少しでも小さくするための自分なりの工夫だった。

 競技では活躍した。「名前をよばれるのがうれしくて。のびのび生きられるようになった。自信がついた」