チャーチグリム、教会グリム
イギリスでは新しく墓を造る際に「最初に埋められた死人は天国に行けず墓地の番人になる」という迷信から、黒犬を埋める場合があった。この墓守犬も黒い体に赤い目のブラックドッグだが、墓地を墓荒らしから守る以外に人を驚かせたり傷つけることはない。道に迷った子供を助けたり、教会の葬儀の鐘に合わせて遠吠えを上げて死者の魂の行き先を神父に知らせるなど、基本的に温和である。ただし、本質的な死の先触れとしての性質は失っていない

ブラックドッグ (black dog) は、イギリス全土に伝わる黒い犬の姿をした不吉な妖精のこと。ヘルハウンド (hellhound)
燃えるような赤い目に黒い体の大きな犬の姿で、夜中に古い道や十字路に現れる
14世紀にデボン州南部のダートムーアに現れ、人を殺した黒い犬の話である。16世紀にはサフォーク州のブライスバーグ教会に黒い犬が現われ、2人を殺害した話もある。18世紀(1972年)にもデボン州の農家に現れ、火かき棒を投げつけられると硫黄のにおいと共に突然消えたという話もある

十字路は人の領域との境界でその外は危険な領域彼岸と此岸を分けるところ