必殺からくり人~冨嶽百景殺し旅 第11話(78年11月3日放送)
「甲州三坂の水面」
(監督・石原興 脚本・保利吉紀)
おもん - 高杉早苗 おそで - 佐野アツ子
塩沢伝十郎 - 深江章喜 久兵ヱ - 山本清
富蔵 - 三遊亭円之助 近江屋 - 永野達雄

甲州にある閑村にやってきた一行。水面に映った富士の頂上だけが赤く染まっていた。真相を確かめるために村を探る。
やがて「富士に登る」と呼ばれる村のしきたりがあることを知る。調べてみると、過酷な年貢を払うことが出来ず、生活が苦しい村人のために村に住むの老人を水面に浮かぶ富士の頂上に連れて行き、石を抱かせて自ら命を絶たせる口減らしのことだった。
悲しいことだが、村のしきたりは誰かの恨みや悪事ではない。頭を悩ませるからくり人たち。
だが、より調べてゆくと、村の庄屋が代官、闇の米商人が結託して年貢の石高を改ざんし、差額を闇に流して金儲けをしていたという卑劣な悪事が発覚する。そして、村のしきたりである「富士に登る」も、過酷な年貢を取り立てることに対する正当性を持たせるため庄屋によって作り出された嘘であることがわかる。