中国、後絶たぬ児童誘拐 “人身売買”目的 不明年間20万人 看板掲げ16年捜索の夫婦も

中国で人身売買を目的とした子どもの誘拐事件が後を絶たない。中国メディアによると、誘拐などで行方不明になる子どもは年間約20万人に上るとの指摘もある。

中国で誘拐が多発する背景には社会保障制度の未成熟がある。
民間研究機関の調べによると、内陸部の農村住民が受け取る年金は月120元程度で、都市部会社員の約20分の1しかない。
貧しい地域ではさらに半額の月約60元にとどまる。医療保険なども不十分だ。

15年末まで36年にわたって続いた一人っ子政策の影響もあり、後継ぎに恵まれなかった農家が、老後の暮らしを支える働き手として男児を買い求めるという。
中国メディアによると、男児の売買価格は8万〜10万元。農家の平均年収5500元の十数倍に当たるが、借金をしてでも買う人が後を絶たないとされる。