>>656のつづき

※『からくり人』の本当の世界観は今回から始まる。
(主に社会的)弱者に寄り添うも、ラストはナレーションが流れ静かに(視聴者に委ね)突き放す展開。殺しも決してラスト近くではなく(たしか冒頭にある回もある)飽くまでもストーリー展開上のものでしかない。人の持つ様々な立場の本質を浮かびあがらせるのがこのシリーズのキモである。
その為、最初からじっくり観ていないと判らない展開、二度、三度観ることによって(スルメのように)より奥深さを味わう事が出来るシリーズである。
(金を受けとらない事も含めて)必殺シリーズの文法を大きく壊してはいるが、早坂暁の必殺感としてシリーズとして成立しているのである。
また、初回から最終回までキャラクター設定が基本的(天平ととんぼの関係が投げられたが…)にぶれることなく完結しているのは、(家庭用ビデオが普及していない時代であるだけに)もっと評価されてもいいのでは…、と感じるのである。