> ゆきんこ、『雪童子』(ゆきわらし)は、新潟県に伝わる説話
> あるところに、心の優しい老夫婦がいた。子供がいない寂しさを紛らわすため、雪で子供を象った人形を作った。
> そんな老夫婦の家に、とある吹雪の晩1人の子供が飛び込んで来た。夫婦は思いがけない来訪者を喜んで
> 我が子同然に可愛がって育てた。しかし春が近づくにつれ、子供は次第にやせ細った。夫婦が心配する中、
> いつの間にか子供は姿を消してしまった。月日が過ぎて冬になり、ある吹雪の晩、またあの子供がやって来た。
> しかし以前と同様、春が訪れるとまた姿を消した。そんなことが数年間続き、ついに子供は現れなくなった。
> じつはそれは夫婦が作った雪人形の精霊だった。二人を慰めるため、神が雪人形を人間の子供の姿として遣わせたのだ。
> 子供が現れることは二度と無かったが、老夫婦の心には楽しい思い出がいつまでも残っていたという。