木場紗綾 神戸市外国語大学国際関係学科 准教授
https://news.yahoo.co.jp/articles/a6cf2d878e8d1b14215659a9363d358d35e766f5
そもそも、司法大臣が毎日にように会見を開いて説明すべき事案ではありません。司法省前で連日張り込みを続けている日本の報道陣の数が異例なので、フィリピン人らしいサービス精神で、日々、わかる範囲で取材に応じているです。「前の話と違う」などと司法大臣を責めるのは筋違いです。
 マルコス大統領の訪日と絡めて「フィリピン政府は駆け引きをしようとしているのでは」などと勘ぐるのもナンセンスです。そうしたストーリーを作っているのは、相手国を見下して無理にでもネタにしたい日本の報道陣です。
 現地の記者らも、問題の根源は日本人なのに、日本の報道陣がなぜこんなにフィリピン政府や裁判所や弁護士を「詰問」するのか理解できず、その「上から目線」に困惑気味です。フィリピン側はむしろ、実務レベルで粛々と調整し、速やかに帰国してほしい、事実を恣意的に歪めて、大統領訪日の報道の邪魔をしないでほしいと願っています。