ライスシャワーが、最初に「憎まれ役」となったのは92年の菊花賞。ミホノブルボンが、シンボリルドルフ以来8年振り、そして史上2頭目の無敗の三冠をかけて出走した一戦だ。
2番人気のライスシャワーはファンの悲鳴がわき起こる中、逃げ込みをはかるミホノブルボンをゴール前であっさりと交わし去り、見事に大金星を挙げたのだ。

そして翌93年。ライスシャワーは日経賞を制して天皇賞(春)に駒を進めた。ここに待ち受けていたのは、天皇賞(春)3連覇がかかるメジロマックイーンである。
ファンの支持はメジロマックイーンに集まったが、ここでも先行したメジロマックイーンをマークしてレースを進めると、直線でこれを競り落として2馬身半差で完勝を収めたのである。

菊花賞に続き、狙った獲物(人気馬)を逃さずきっちり捕らえたライスシャワー。「刺客」という呼び名が定着するとともに、憎まれ役という立場も明確になった一戦だった。