伊藤若冲の世紀の大発見は、長さ3メートル余りの絵巻『果蔬図巻(かそずかん)』。52種類の野菜と果物が楽しそうにパレードでもしているかのような作品。
二百数十年前の作品とは思えない、鮮やかな色彩を残し、様々な技法を用いて描かれています。大の若冲ファン・渡辺いっけいさんも大興奮。実はこの作品によく似た若冲の絵巻があります。
果蔬図巻の一年あとに描かれた重要文化財『菜蟲譜』。その絵にも同じように野菜や果物の姿が。両者を比較すると興味深い若冲のこだわりが示されていました。
彼は何故、野菜や果物を描いたのか、その謎を紐解いていくと、天才芸術家の知られざる姿と、波瀾の人生が見えてきます。若冲が野菜や果物に込めた思いとは。

<Art Traveler>渡辺いっけい
<ナレーター>磯村勇斗