>>856>>870

上記>>942の追記補足で前スレからの継続になるが、小生含めて旧態依然な西部劇や凡庸無脳ハリウッド映画に落胆失望な映画愛好者にとってはアイディアやプロットは基本的に同型でも、いざ材料注入して焼き上げたら全く異質別物に仕上がった『荒野のストレンジャー』の方に軍配圧勝であり『ペイルライダー』はイーストウッドの劣悪要素の煮凝りみたいな出来損ないでしかない…劇中のストーリーテリング自体が元作が“一見悪人に見えるならず者達も実は主人公と同じ犠牲者に過ぎず真の悪人は町民達”であるのに対し“悪人は悪人で善人は善人のまま閉幕”という何の捻りも創意工夫も皆無な本作は御粗末で手抜きとしか言いようがないし
また『荒野のストレンジャー』が町民によって無惨に衆人監視の中で殺された無念の保安官の復讐劇の体裁でホラーと西部劇を混合乳化させ単純な西部劇から脱皮昇華したのに対し、同じく亡霊が主人公でも結局終わってみれば“毎度お馴染みのいつもの西部劇”でしかなかった『ペイルライダー』には映画的な価値は殆ど無いと言っても過言ではなく誰が出演しようが何年に創作しようが常に同じである山田洋次の金太郎飴映画と大差無い…そして最重要で最肝心なのが元作品では“西部劇では異例な湖畔の町が舞台”“素人でも一目瞭然な美術製作班手作りセット感を異常強調した町並み”“血色で書きなぐった「此処は地獄だ」は本当は誰に向けて?”〜等々と劇中の物語の範疇外のメッセージが其所かしこに点在し、それらを総合的に分析考察すると当時のハリウッド映画界全体に対するイーストウッドの痛烈な批判が込められているということに気付き愕然感嘆するわけだが本作は分析考察しようにも、そのような隠喩暗喩が皆無の単細胞でセガール自主製作映画と同類同等であり比較対象にすらなれない駄作愚物