実際にスコープ撃ち抜いて敵スナイパーを倒した人
カルロス・ハスコック

北ベトナム軍はハスコックらに対抗すべく第55高地に12名もの狙撃手を送り込んだ。その中の一人、北ベトナム軍の謀略放送で“コブラ”と呼ばれていたスナイパーとの戦闘は通称"cat and mouse"と呼ばれ、フィクションの世界に多くのフォロワーを残し、ドキュメンタリー番組の研究対象となった。ある任務でハスコックと観測手のジョン・バーク伍長は北ベトナム軍の将校(ハスコックをおびき寄せる囮だったとされている)を800ヤードの距離から仕留めた帰途に、目に光が入ったことに気づいた。反射的にその光に向かって狙撃すると、500ヤード先の茂みの中で光る敵のスコープごしにハスコックの銃弾は、そのレンズを貫通しコブラの眼球に命中していたという。コブラの死体を確認して賞賛するバークに、ハスコックは「レンズに目を当てていたということは彼も私を捉えていたということだ。私が先に撃ったのは運が良かったというだけだ」と冷静に述べたという。