焦点:たそがれるボリウッド、コロナと動画配信で興行不振 ロイター

[ムンバイ 1日 ロイター] - インドのヒンドゥー語映画産業「ボリウッド」は壊れているかもしれない。彼ら自身がそのことを認識している。
大スクリーンで全編にわたって素晴らしい歌とダンスが繰り広げられるボリウッド映画は厳しい現実から逃れられる娯楽として、インド国民や世界中の人々を長らく魅了してきたが、最近は興行面で不振が続いている。

実際、インド現代文化の1つの柱だったボリウッドは曲がり角を迎え、その輝きは色あせつつある。
特に若い世代は多くのボリウッド映画を時代遅れで「格好悪い」とみている。そこに折あしく登場してきたのがネットフリックスやアマゾン・プライムといった動画配信サービスだ。

業界データを分析するウェブサイト「コイモイ」によると、今年公開されたボリウッド映画26本のうち何と20本(77%)は、収入が投資額の5割かそれ以下にとどまった「失敗作」になった。

2019年の失敗作の比率はその半分程度だったが、新型コロナウイルスのパンデミックによって社会が一変し、何十年もボリウッド映画の主な収入源だった映画館から人々が遠ざかってしまった。