死者1人ってこれか

 そんな時代の空気の中、端島で事故が起きた。高島炭鉱史(三菱鉱業セメント発行)によれば、
64年8月17日午前2時半ごろ、海面下940メートルの坑道で自然発火が発見される。
すぐに注水による直接消火を行った。しかし、押さえ込めたかにみえた午後11時40分ごろ、
突然ガス燃焼が発生、注水作業中の10人がやけどを負った。直ちに退避命令が出されるとともに、
負傷者を救出し病院に収容した。のちに1人が死亡した。