では、なぜ性的マイノリティというカテゴリーに属する人に限って、これほどの配慮がなされるのか。
それは、「人権」や「差別」という概念に適合しやすいからでしょう。
普通の人の悩み苦しみは、どんなに深くても、なかなか「人権」や「差別」という概念に当てはまりにくい。
多数者と少数者という識別が難しいからです。
これに対して、障害者や人種なども、この識別がしやすいので、「人権」や「差別」という概念でとらえることが容易にできます。

そこで、この識別しやすさという特徴を狙って、左翼的な思想の持ち主が、これらを政治問題化するのですね。
お役所は、公正や平等をたてまえとしていますから、この種の政治的な批判に対して、きわめて脆弱な構造を持っています。
それで、糾弾されるとすぐそのまま言うことを聞いて、行政措置に踏み出すのです。
でも、本当に、LGBTの人たちの感情問題に、そこまで忖度する必要があるのでしょうか。

https://the-criterion.jp/mail-magazine/m20190329/