都市化による影響

主に日本の気温統計に使われる古くからの観測が行われてきた気象台(気象官署)や測候所(特別地域気象観測所)の観測地点では、観測開始された当時(明治~昭和初期)の露場の周辺環境は当初は比較的緑地の多い場所であったものの次第に都市化によって周囲の観測環境は様変わりし、緑地が消え周辺の環境が著しく人工的な熱に影響されるようになった。すると都市化により最も影響を受けるのが冬場の最低気温であり、その大幅な上昇が平均気温を引き上げているとの指摘もある。特に札幌市や旭川市、帯広市、盛岡市などの北日本の内陸の観測地点においては非常に顕著である。また近年になり、これらの観測地点が合理化から建て替えなどにより新たに新設された合同庁舎と同じ場所に移転するケースが増えており、岡山市、広島市、神戸市や金沢市など、合同庁舎の立地利便性などから人工熱の影響を強く受ける市街地中心部へ、または内陸部から海岸部への移転例も非常に増えている。これらのことがより一層、特に冬場の平均気温の上昇に大きく影響しているとも言われている。

さらに露場周辺環境の悪化も指摘されており、地域全体の都市化とは別に露場近隣にビルが建つことや庁舎の建て替えなどにより陽だまり効果が発生し冬季の気温低下の妨げになっている観測地点が増えているとの研究もある[1]。さらに雪国では現代になり迅速な除雪が進んだことにより、積雪効果による気温低下を妨げ熱伝導による最低気温の上昇傾向が著しく表れているとの指摘もある[2]。実際、北日本の積雪都市ほど冬季温暖化が著しくなっている。

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