なぜほめてはいけないのか

子育てであれ、組織におけるマネジメントや人材育成であれ、「ほめて伸ばす」、「承認をする」など、承認欲求を満たすことは基本的なことだと考えられていると思う。
しかし、アドラーはそれを真っ向から否定する。

なぜか。

承認欲求にとらわれた人間は、他者から認めてもらうことを願うあまり、いつの間にか他者の人生を生きることになるから。
そして、承認には終わりがない。永遠に求め、永遠に満たされない。
ほめられることでしか幸せを実感できない人は、人生の最後の瞬間まで「もっとほめられること」を求める。その人は「依存」の地位に置かれたまま、永遠に求め続ける生を、永遠に満たされることのない生を送ることになってしまう。