>>778 平均寿命のカラクリ

平均寿命の指標について勘違いしている人が多いのだが、これは現在の死亡者の平均年齢を指しているわけではない。現在0歳の人が何歳まで生きられるかという平均余命の指標である。

要するに、今生まれた赤ちゃんが何歳まで生きられるかというものである。男性の平均寿命が84歳だからといって今40歳の人が平均あと44年生きられるというものではない。

また、昔の平均寿命50歳だからといって、みんな50歳くらいまでしか生きられなかったという意味でもない。平均寿命とは、たとえば乳児の死亡が多ければ多いほど下がるものである。平均なので、100歳で死ぬ人が50人、0歳で死ぬ人が50人いると、平均寿命は50歳になる。太平洋戦争前は、この0~10歳未満での死亡率が異常に高かったために、平均すると50歳に達しなかったのである。

つまり、昔は子どもの死亡率が高かったために、計算上平均寿命が短かっただけであり、決して老人が早死にしていたわけではない。

江戸時代の平均寿命は30歳台と言われているが、あの葛飾北斎は享年90歳だ。徳川家康だって73歳くらいまで生きたし、なんならその前の戦国時代でさえ北条幻庵は97歳、その父の北条早雲も88歳、関ヶ原の合戦で名をはせた島津義弘も85歳、毛利元就も75歳まで生きている。もっと以前の鎌倉時代、僧の法然は満78歳、その弟子親鸞も満89歳で入滅している。1000年前も今も長生きする人はしているのだ。
https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/015b2416505d2a0abb07fe2e4ba71cc4ac582db0