>>650
【「道徳の時間」について】
…このような流れのなかで,1958年8月28日,小・中学校の学習指導要領の改訂によって「道徳の時間」という「特設」の枠組みにおいて,公教育における道徳教育が導入されることになった。その後,1966年には,中央教育審議会答申の「別記」として出された「期待される人間像」という文書で,「天皇への敬愛が日本国への敬愛に通じる」という論法が提示された。

【「学習内容」について】
OECDが描く今後の社会像はVUCAと表現される。変化しやすく(volatile),不確かで(uncertain),複雑で(complex)曖昧(ambiguous)な社会になっていく,というわけである。このような「予測不可能な」社会,どうなるか分からない状況を前にしている限り,何が必要になるか分からない。このような状況設定は教育政策を立案する側からすれば「何でもあり」の状態である。これも必要,あれも必要といった具合に,どんどん教育内容が足し算され,「基礎的知識」がどんどん増殖していく。

学校はこういう発想が大好きである。なぜなら,子が今やっている(やらされている)ことについての説明が必要なくなるからである。将来何が起こるか分からないと言われれば,何でも必要だということになる。そうして子たちを精神的に追い込んでいく。