2012年には「地球温暖化問題における科学者の役割」というシンポジウムが日本気象学会主催で開かれました。そこには江守正多さん(現・国立環境研究所)や田家康さん(日本気象予報士会)、私も参加して議論を交わしました。

 風向きが変わったのが2014年です。日本気象学会では、中立的な立場で地球温暖化に対する意見をまとめようと、「地球環境問題委員会」という企画を立ち上げました。その成果が『地球温暖化 そのメカニズムと不確実性』(朝倉書店)です。

 本書の校了寸前になって、IPCC(国連の気候変動に関する政府間パネル)の執筆者に査読してもらおうということになりました。すると、IPCCの執筆者の見解と異なる主張は原稿から削除され、私が書いた「温暖化の半分は自然変動で説明できる」という内容の原稿は、ほとんどが削除されました。書名も当初、執筆メンバーで考えていた案から大きく変わりました。

 この頃から、日本では「温暖化は人為的なCO₂排出が主因であることは明白。もう決着した」という見方が支配的になり、異論をはさまないことが「大人の対応」といわれるようになりました。
https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00462/070700008/?P=2

「41度」日本記録への疑問
森田正光気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ会長 2013/8/14
https://sora.5ch.net/test/read.cgi/livetbs/1690899324/953-965