年々過熱する「ヒートアイランド」の影響

 もう一つ、内陸の平野部が暑くなる原因に「ヒートアイランド」現象があります。誰もが感じているように、都会ではエアコン利用による人工排熱が多く、市街化による蒸発減少がおこっています。海から風が吹いてきても、地面や樹木が少ないために冷却効果が低く、逆に密集した建物やアスファルト道路で蓄熱がおきるため、夜の間も十分に気温が下がりません。

 こうして大きな都市の中心部で、郊外よりも気温が高くなる現象を「ヒートアイランド」と呼びます。熊谷市など埼玉県の内陸都市で東京以上の高温が記録されるのは、地域自体にもヒートアイランドが起こっていることに加え、東京のヒートアイランドの余波を温風として受けていることが指摘されます。

 埼玉県の平野部は関東平野の奥まった場所に位置し、南からの海風が届きにくくなっています。さらに、海風が東京という大都市を通る間に温められ、到達する頃には冷却効果のない温風となっているわけです。

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