事件はまさに、芸能界の権力関係を悪用したセクハラであり、故ジャニー喜多川社長によるジャニーズJr.へのセクハラ事件を彷彿とさせるが、しかし、問題は冒頭で指摘したように、この重大な不祥事がメディアでほとんど報じられていないことだ。当の大澤常務がある程度の事実を認め、ワタナベエンターテインメントも謝罪をしているのに、ワイドショーもスポーツ紙も週刊誌も不自然なくらい一切封じようとしない。いったいなぜか。

 背景にはもちろん、ワイドショーのMCやコメンテーターに、恵俊彰、立川志らくなど、ナベプロ所属のタレントが大挙起用されていることがある。

 しかし、スポーツ紙や週刊誌系ネットニュースまでが報じなかったのには、もうひとつ大きな理由がある。それは、これらのメディアがまさに大澤常務と癒着し、大澤常務にいわれるがまま、ナベプロ所属のタレントのスキャンダルや不祥事を握りつぶしてきた経緯があるからだ。週刊誌記者が解説する。

「ナベプロは大手芸能プロですが、以前は、スキャンダル報道にそこまで圧力をかけるような体質ではなかった。ところが、大澤さんが広報担当になって以降、ワイドショーはもちろんのこと、スポーツ紙、週刊誌などにも、徹底的に介入してくるようになった。少しでもナベプロのタレントにマイナスな話を載せようものなら、ものすごい勢いで怒鳴り込んでくる。一方でメディアの取り込みもうまく、飲食接待はもちろん、バーターで他の事務所にからむ芸能情報を提供してきたり、タレントのグラビアや連載をもちかけてくる。それで、スポーツ紙も週刊誌も抱き込まれてしまったんです。最近のナベプロは、ジャニーズ、バーニン1グに匹敵するタブーになっていました」
https://sora.5ch.net/test/read.cgi/livetbs/1682036936/542-561

 ホリプロといえば、トップである堀義貴代表取締役社長は、日本の芸能事務所で構成される業界団体「日本音楽事業者協会」の会長だ。また、ワタナベエンターテインメントの創業者である故・渡辺普さんは、音事協の初代会長。故・渡辺さんの長女で、ワタナベエンタの渡辺ミキ社長は、音事協の常任理事だ。その業界の中心にいる芸能プロの幹部が、セクハラ・パワハラでは音事協の会員に示しがつかない。しかも、こうしたケースは業界内における氷山の一角でしかないはずだ。
https://www.cyzo.com/2020/12/post_263153_entry.html