大谷2週で1軍目指す!藤浪から檄メール
[2013年4月16日11時3分 紙面から]

大谷の沈んだ気持ちは、盟友が吹き飛ばしてくれた。1軍から離れ、2軍施設のある千葉・鎌ケ谷へ戻った14日。高校時代からのライバル、藤浪がプロ初勝利を挙げた。テレビのニュースで知った。はにかみながら、祝福メールを送ったことを打ち明けた。

 大谷:
 初勝利、おめでとう。僕は捻挫して落ちちゃったよ。

 プロ初の2軍落ちを経験した日に、藤浪は表舞台で最高に輝いていた。高校時代と同じだった。投げ負けた昨春のセンバツ、出場できなかった昨夏の甲子園。野手としてはプロで先に結果を残したが、投手としては、また先を越された。大谷は同様のメールが殺到すると察し、文面の最後に「返信はいらないよ」と付け加えたが、思わぬ返信メッセージに心打たれた。大谷によれば「『ありがとう。早く治して上に戻ってこられれば』というような感じでした」。

 再起にかける思いは、一層深まった。「僕も、しっかりやりたい。負けないようにしたいです」。失意から救われた。高校日本代表では、ともに日の丸を背負って戦った。注目を浴びながら、プロ生活をスタートさせたのも同じ。何かと比較される高卒新人同士。メールでのやりとりで、活力を取り戻した。