記者が注目したのはこの「キラーパルス」だ。被害の大小を決定づける「キラーパルス」の大小はなぜ起きるのかの原因については、細野氏の文章では「不思議な性質」「地震動の性質」としか書かれていない。

 おそらく、震源地が近いのか遠いのか、浅いのか深いのか、あるいは地盤によるのだろうと推測される。ネットで調べてもどうして地震波が異なるかについては書かれていない。やはり「不思議な性質」のようだ。

 しかし、地震が起きたあとで、キラーパルスが大きかった、あるいは小さかったと言ってみたところで何の役に立つのか。地震が起きてみなければ分からないというのであれば、備えようがない。地震大国のわが国の地震研究とはその程度のものなのだろうか。専門家には「キラーパルス」の大小がなぜ起きるのか是非とも解明していただきたい。

 ただ、「震度」は必ずしも被害の大きさと一致しないという現行の地震観測のあり方の再検討には大賛成だ。新浦安の「震度5強」は、市役所の近くの「猫実」で観測所で観測されたものだが、そのエリアは液状化がまったくなかった「元町」とはなはだしく液状化が起きた「新町」「中町」の狭間だった。同じ「震度5強」を観測した千葉市美浜区の観測所は埋立地の「真砂第一中学」だが、公共施設なので液状化対策が施されていたのではないかとも思った。

https://www.dai3.co.jp/_old_hp/rbayakyu/23th/times/news262.htm