1978年秋、TOTOは「納得できる製品を自社で作るしかない」という信念から、
自社開発の取り組みを始める。ほとんどが20代だった開発チームでは、連日夜遅くまで
ミーティングが重ねられた。どのような商品を目指すのか。
ヒントとなったのは、ウォッシュエアシートに寄せられていたクレームだった。
社員が実験台となって、さまざまな問題点を一つ一つ確認し、データを集めていった。
安全性はもちろん、快適な洗浄感や使いやすさを高めた商品の仕様が決められていった。
温水は38℃、便座の温度は36℃、乾燥用の温風は50℃、ノズルから吐水するシャワーの
角度は後方43度が最も効果的であることなど、貴重なデータが得られた。
この標準数値は、発売から40年以上経った現在のウォシュレットにも受け継がれている。