佐々木監督は敗退を指示したわけではない。しかし「勝たなくていい」という指示は、五輪精神、スポーツマンシップに反している可能性が強い。

一つには、どの順位で進出するかで極端に条件が違うような試合設計をした主催者側にも問題はある。勝たない方が有利になるような状況を作ってはいけないとは思う。

しかし、選手や指導者が、競技ではなく星勘定を優先するのは、ありていに言えば「八百長」である。

国際サッカー連盟は、佐々木監督の発言を不問に付すと言った。サッカーの世界では、決勝リーグを有利に戦うために、こうした「星勘定」をすることはよくあるからだ。

私は、この話は「なでしこJAPAN」の驕りの表れだと思う。一生懸命にゴールを狙うのではなく、勝たないように試合をする。これは、南アフリカチームに対して失礼でもあるし、観客に対しても背信的だ。