2022年8月現在、公共交通機関、商業施設では「感染対策の徹底のため、マスクの着用、アルコール消毒をし、会話は控えましょう」といったアナウンスが流れ続け、人々はマスクで鼻と口と頬を隠してぞろぞろと歩いている。正直、不気味な光景だ。2019年までの感覚でいえばもはや不審者の列であり、1970年代であれば「口裂け女」だらけという状況である。

とはいえ、本気でコロナを恐れている人はいまや少数派ではなかろうか。30%いるかどうかもわからない。多くはただただ「忖度そんたくマスク」を着けているだけである。

指示待ち人間が多い日本では、「感染対策は不要です」と首相や厚労省、知事、上司、そして親から言われない限りは続けなくてはいけない、と頑なに信じている。もう断言するが、コロナに関連した感染対策は全部意味がなかった。マスク、アクリル板、アルコール消毒、レジのビニールカーテン、学校の机の覆い、旅行自粛、無観客試合、県境をまたぐ移動の自粛、席はひとつずつ空けて座る、緊急事態宣言・まん延防止等重点措置(マンボウ)の発出、花見の禁止、花火大会の中止、祭りの中止――いずれも「感染対策ごっこ」である。

なぜプロ野球ではスタメン選手はマスクを外し、控え選手と監督・コーチはマスクをしているのか?
なぜ、テレビのスタジオに登場する芸能人はマスクをせず、一般人はマスクなのか?
なぜ、『紅白歌合戦』などの歌番組で、大人数の演者がステージにひしめき合ってマスクをせず歌うのか?
なぜ、飲食店では入店時・便所へ行くとき・退店時だけマスクをし、それ以外は外しているのか?

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