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中田監督は指導者としては一貫して、
サーブレシーブを低い軌道でピンポイントにネット際のセッターに返し、
速い攻撃を仕掛けるスタイルを用いてきた。自身の現役時代の80~90年代のやり方だった。
しかし、世界のトレンドは変わった。
サーブの強さが増す中、強豪国は「サーブレシーブは真ん中に高く上げれば良い」という考えが主流になった。
アタッカーに時間的な余裕を作り、常に4人のアタッカーが同じテンポで助走に入ることで相手ブロックの迷いを生じさせる狙いだ。
攻撃は「速さ」から「シンクロ」がキーワードとなり、日本がかつて使っていた「時間差攻撃」は死語となった。
中田監督はあくまでもサーブレシーブの「速さ」と「低さ」にこだわった。
迎えた東京五輪本番。レシーブで余裕を「作らない」日本の攻撃パターンはレフト一辺倒となり、要所で相手ブロックに阻まれた。
Vリーグのある監督は「レシーブから速くしようとするから結局、アタッカーは攻め急いで手打ちになる。選手の良さが生かせていない」とため息をつく