バルデスのドーピング検査は別のBサンプルでも陽性だったが、なんと現地ヤクイ族コミッションの裁定は試合許可。バルデス側は検出された薬物がハーブティーによるもので、「WADAでは試合時の摘出のみ禁止としている」と抵抗、VADAではその区別をしておらず、ドーピング検査を受けることを認めた際、使用したサプリメント類を検査機関に通知することなども誓約していたが、これはあくまでWBC、VADAの規定。

 ボクシングのドーピング検査は厳しいUFCなどと比べても緩く、地域や依頼した機関で温度差があり、それこそ日本のJBC職員による検査、抜き打ち検査すらないものが許されてしまっている。そのため、こうした妙な結果も出やすい。2018年にアメリカでの試合が中止されたビリー・ジョー・サンダースの陽性では、母国イギリスでは試合後の検出のみ処分対象となっているなど、ルールの違いが問題となった。