嗅覚障害(においの障害) 2009.6
https://www.fukazawa-ent.jp/2009/06/01/162/

2) 実は、やっかいなのが風邪をひいたあとの嗅覚障害です。
風邪が治って、鼻もつまってないし、鼻の粘膜の腫れもないのにニオイがわからない、しかもかなり重症である、というのが風邪後の嗅覚障害の特徴です。風邪の炎症によって(ウイルスの感染も?)ニオイの神経が障害をうけたのが、その原因であることはわかっているのですが、どのウイルス、どんな風邪のときに嗅覚障害が起こるのかは、いまだ不明です。
私たちは以前、風邪のあとにニオイがなくなる患者さんの統計をとったことがあるのですが、6月に風邪をひいたあとに嗅覚障害(ニオイの障害)を来たすことがもっとも多かったのです。今月の風邪は要注意です。インフルエンザが流行する季節(12月―3月です。先ごろより日本中を騒がせている新型は例外として)に嗅覚障害来たす患者さんは多くなかったのです。少なくともインフルエンザウイルスは嗅覚障害の原因ではなさそうです。