ヌルハチ(努爾哈赤、満洲語:は、後金の初代ハーン。清の実質的な初代皇帝とされる。女真族の愛新覚羅氏出身で 、ヌルハチが生まれた頃の女真は、建州女真五部・海西女真四部・野人女真四部に分かれて、互いに激しく抗争していた。
これを利用して明は、朝貢の権利を分散させることで、飛びぬけて力の強い部族を出さないようにしていた。具体的な方法としては、建州・海西女真の有力者300名に対して勅書を渡していた。ただし、土木の変(1449年)でのエセン・ハーン侵攻にあたって勅書が無資格者の手に渡るなど混乱した上、期待していた防壁代わりに全くならなかった反省から、ヌルハチが生まれた頃には建州女真に500通、海西女真に1,000通をそれぞれの首長に一括して渡すようになり、若干の権力集中が行われるような政策に転換している。