菊タブーは、日本の天皇・皇室に対する批判やパロディーを容認しない禁忌、及び直接的暴力も含む圧力の総称(通称)。
皇室の紋章が菊(菊花紋章)であることから、婉曲的にこう呼ばれる。

戦後、皇室関連の報道で関連右翼団体やその構成員が、暴力的な手段を用いてこれを封殺しようとする事件をたびたび起こした。
暴力被害に遭うことやトラブルになることを恐れてマスメディアなどは、天皇や天皇制に関する批判的言論を控える(自主規制する)ようになった。

なお出版業界などにおいては天皇に係る自主規制の存在やその基準を示すものなどは特に公にはされていないが、放送業界においては、例えば日本民間放送連盟放送基準第2章(7)「国および国の機関の権威を傷つけるような取り扱いはしない」の解説において「国の象徴としての天皇もここに含まれる」としている。
この自主規制を指して、天皇や天皇制に対して批判的な言論は、マスメディアにおけるタブーの一つとされ、婉曲的に菊タブーと言われるようになった。