老化が起こると、人の体は細胞レベルで見て2つのことが起こります。

1つは細胞の動きが遅くなり、色素や髪の毛の細胞を作るといった機能が失われていくということ。そしてもう1つは老化とともに生み出されやすくなるがん細胞といったいくつかの細胞の成長率が上がることです。

近年進められている老化に関する研究の多くは、このような人間の体の細胞が生み出され死んでいくプロセスに着目したものです。

上記の2つの問題に対処し若さを手に入れるには、体が若い時の細胞の働きを手に入れ、同時にがん細胞のような生物的な必然性を避けることが必須となります。

しかし、生態学と進化生物学の教授であるJoanna Masel氏が行った数学的なデモンストレーションでは、「細胞を若く保つ」ことと「がん細胞を排除する」ということは同時に実現できないという内容が示されました。