太平洋戦争の際には桃太郎は軍国主義という思想を背景に、勇敢さの比喩として語られていた。
この場合桃太郎は「鬼畜米英」という鬼を成敗する子としてスローガンに利用され、日本初の長編アニメ映画といわれる『桃太郎の海鷲』『桃太郎 海の神兵』はじめ多くのプロパガンダ作品に登場した。

戦時中には孝行・正義・仁如・尚武・明朗などの修身の徳を体現した国民的英雄として、大正期の童心主義では童心の子として、
プロレタリア主義では階級の子、また戦後になると民主主義の先駆として語られるなど、桃太郎はしばしば国民の模範として描かれてきた。