前回のあらすじ(AI)

上京後、六本木のキャバクラボーイをしていた青年は一攫千金を夢見てキッチンカーで勝負に出ることにした。提供するのは幼少期に、今は亡き弟と一緒に食べた母のオリジナル「タマネギカツレツ」だ。
「あなたよりも、私の中ではあの子が一番になってしまったの、永遠にいなくなってしまったから..」と母が吐露する。
しかし、青年の頑張る姿に次第に母も応援する姿勢を見せ始め「タマネギカツレツの売りは何よ?」「罪悪感のないヘルシーグルメとしてOLにアピールするんでしょ?」と発破をかけるのであった。
テスト営業を重ね、家族総出の応援もありついに狭き門・渋谷MIYASHITAPARKでの出店の切符を勝ち取るのだった。
だが、勝負をかけ150食の仕込みで挑んだイベントで販売数が数個のみの閑古鳥という衝撃の結果で玉砕。そして青年にはアパートで積まれた在庫のバンズを、カビの生えた部分を削りながら食べる日々を送ることに -
時を同じく、アイカ25歳は亡き義母直伝の中華粥でこちらもキッチンカー業界に新たに狼煙をあげんとしていた。
しかし、折からのこの夏の猛暑で中華粥の路上販売は苦戦を強いられていた(後編へ続く)