山田美保子の評論
「病院を継ぐのは自分と信じて疑わず、傍若無人の行動をとる森山。野際陽子演じる院長は、すべて把握しながら、それでも『スグルちゃん』と甘やかしつづける。
こんな野際をどこかで見たことがあると思ったら、1992年の『ずっとあなたが好きだった』だった。
森山のネチっこく、自分勝手で子どもじみた言動に毎回、あぜんとさせられるのだが、憎々しくて不気味な〝冬彦さん〟と違ってこちらは、どこか憎めない。
ワイドショーの渦中の人となった離婚騒動を経て高嶋は、同年代の役者の中では類を見ないような怪優にたくましく成長した。」