大谷が偉業を達成した日、1万人にも満たず、空席が目立った。
ルースの記録は、米メディアの関心が薄かった。

達成後の会見。
オークランド・コロシアムの狭い通路は活気に溢れたが、大半は日本のメディアだった。
地元から駆けつけたのはずっと追いかけている放送局と、地元の新聞紙の1人だけ。
ルースの記録に関する質問もほとんどなかった。

その理由をディラン・ヘルナンデス記者に聞くと、興味深い回答が返ってきた。
「まず、こっちは勝利数が重要視されていない。昨年、ドジャースのフリオ・ウリアスが20勝を挙げたけど、サイ・ヤング賞の投票のトップ5にも入らなかった。勝利は、チームとか、本人の実力とは違うところで左右されることも多いから」
ヘルナンデス記者はあと2つ、理由を挙げた。
「あとはルースの名前が、既に使われ過ぎている。そして、うちのサイトでもドジャースとエンゼルスのアクセス数は全然違うし、どうしてもドジャースの方が手厚い報道になる。」