渋沢栄一の推薦で1909(明治42)年に帝国ホテルの支配人に就任した林愛作(はやし・あいさく、1873-?)は、それまでニューヨークの古美術商山中商会の主任として活躍していました。深い教養と才気の持ち主で、豊富な海外経験から帝国ホテルの経営を次々改革しました。郵便局の設置もその一つで、林自身が郵便局長を兼務し、内外郵便、電信、為替、貯金、小包郵便などの事務を取り扱いました。そして宿泊客の便宜を図るだけでなく一般にも開放し、独立経営で成り立つようにしました。

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