「けだえ」とよばれるこの鉱山病の予防に、大きな効果を発揮したのが梅である。大森代官所が招いた備後国びんごのくに(現在の広島県東部)の医師・宮太柱みやたちゅうは、鉄の枠に梅肉を挟んだ薄絹を張ったマスクを考案し、坑夫たちに着けさせた。マスクは、梅の酸の効果で鉱塵を寄せつけず、24時間たっても汚れることがなかったという。このマスクは、「福面ふくめん」と呼ばれ、生野、佐渡、足尾など全国の鉱山に伝えられて、各地の坑夫たちをけだえから守ることになる。

答えは赤?